BRZ、オーディオの音を良くしたくて悪戦苦闘

2021年型の「スバル BRZ」に乗っています。豪華装備(8スピーカ、外部アンプ搭載)のSタイプを購入したのに「カーオーディオの音」が悪いので悩みました。

低音が出ないし高音も伸びが無い。まるでオモチャかこれ?という感触で悲しくなりました。色々やってみた悪戦苦闘の記録です。

第一幕    設定(カットオフ等)の調整


パイオニアのナビには、音響特性を補正する設定が色々あります。
音楽を聴きながら、各スピーカに配分されるカットオフを調整してみました。

良くなった、と思って別の曲を聴くと、今度は悪くなってしまっています。
曲に合わせて毎回設定を変えることができるわけが無く、これは殆ど役に立ちませんでした。
「Super Bass」あるいは「PowerFull」という設定にすると、雰囲気は良くなるのですが、今度は音が割れてしまいます。

第一幕の結論:「子供だまし」の絶大な効果あり。改善は別に必要。


第二幕   外部アンプをバイパス


BRZのSタイプには、外付けアンプがトランクルームに取り付けられています。ナビから出力される信号を増幅することで音量を上げても音が歪まないようにするのが外付けアンプの役割です。


ディーラさんからは、「外付けアンプがあるので音が良いです」というように説明を受け、そのように期待して購入したのです。 
しかし複数の方から、アンプを外せ、というアドバイスを頂きました。これは一体どういうことなのでしょうか?
ナビの出力は200Wもあって、「アンプは必要ない・・・アンプの特性でむしろ劣化してしまう」、というのが頂いたアドバイスに共通していました。

ネットを探したら「外付けアンプバイパスコネクタ」なるものがメルカリに出品されているのを発見、ただちに購入しました。ナビの出力をスピーカに直結するだけの、ごく簡単なコネクタです。

アンプに入る電線と、アンプからスピーカへ向かう線を直結してしまえば同じことですが、コネクタを使うことで「外付けアンプあり」、「無し」の比較が簡単にできるようになりました。
何回か比較したのですが、アンプを付けても、外しても、私には音質が変わったとは実感できませんでした。
一体この外付けアンプ、何のためにあるのでしょうか?

さんざん試した結果、バイパスコネクタを使ってアンプは切り離すことにしました。 ちなみにリアスピーカからの音は、何をやっても聞き取ることができませんでした。リアスピーカは役に立っていない「オマケ」のようです。

第二幕の結論:外付けアンプは必要ない、リアスピーカも不要


第三幕 スピーカを交換

昔乗っていた車では、スピーカを交換しただけで音質が劇的に良くなりました。ディーラさんが標準装着してくるスピーカはオモチャで、音質が酷かったのです。
今回も同じことを期待して、標準スピーカを交換することにしました。

下の写真が標準搭載されていたスピーカです。 ボイスコイルの磁石も大きく、それなりの重さもあって、しっかりした作りになっていました。しかしスピーカーコーンの剛性は無く、高級品とは思えなかったです。


店頭で聞き比べた結果、3万円台でそこそこの音が出ているスピーカとしてTS-C1736 SIIを選択しました。
直径18㎝のスピーカでさらに良い音のスピーカもあったのですが、BRZには直径17cmのスピーカまでしか装着できず、この製品になりました。
ついでにスーパーウーハー(TS-WX400DA)も追加することにして、取付作業をスーパーオートバックスさんにお願いしました。


スーパーウーハーは、普通はシート下に取り付ける場合が多いと思います。BRZはシート下にスペースが殆ど無いので、スーパーウーハーを置くことができません。結局トランクルームに取り付けていただきました。

期待通りに効果は絶大で、これまでビリビリしていた低音が出てくるようになりました。しかし、中音域で極端にレベルが上がってしまうところがあり、音楽によってはアンバランスな感じがします。イコライザを調整して良くなったのですが、やはり不自然な音楽に聞こえることがあります。

第三幕の結論:スピーカ交換はとても有効


第四幕:ドアスピーカのデッドニング

店員さんのお勧めに従って、ドアのデッドニング加工を施しました。ドア全体のビビりを抑え、ドアがスピーカーボックスとして機能するように改良しする作業で、朝から夕方までの長時間作業になりました。
補修キットとして使ったのは、オーディオテクニカの新製品(2022年6月発売)「AT-AQ409」です。



この作業で、「凸凹していた周波数特性がフラットになり、素直な音になる」、ここまでは期待していた通りの効果が得られました。中高音の不自然な偏りが綺麗に無くなっています。
期待以上だったのは低音部です。ドア全体がスピーカボックスとして機能することになったお陰で、低音がドアスピーカからもドシドシと響いてくるようになりました。トランクルームにおいたスーパーウーハーへの負担も減って余裕を持って低音が出てくるようになった結果、それまで濁っていた低音がクリアになり、ようやく大満足のBRZとなりました。

低い車高から眺める景色に高音質のオーディオが加わるとドライブが楽しくなり、BRZがますます好きになりました。

第四幕の結論:デッドニングは絶大な効果あり


最後に

BRZの音を良くすべく複数のお店を回ったとき、同じコメントを聞くことができました。
  • 標準搭載の外部アンプは不要である(むしろ音を悪化させている)
  • スピーカの数(8スピーカとか10スピーカ)は重要でない。
振り返ってみると、どちらも正しかったと思います。自動車メーカとしてはユーザに売り込みやすいので「外部アンプ搭載」とか「8スピーカ」とかをカタログに書きたいのでしょうが、ユーザが期待しているのはカタログ上の数字ではなくて「音の良さ」なのです。ここはメーカさんに真剣に考えていただきたいところです。
私と同じように「音が悪い」と悩んでいる方には、自分の耳で判断できる人へ相談することをお勧めします。(第三幕と第四幕は、スーパーオートバックス246江田店のカワモトさんにお世話になりました。)